◆まえがき


「NEXTのどこが好き?」

と問われると、

「NEXTなんて嫌いだ。本当はループやコントロールが好きなんだ。」

天邪鬼な私はそう答える。

嘘だ。

本当は、誰よりもNEXTというデッキが大好きだ。

戦略も構築論も誰にも負けたくない、いや、負けていない自負はある。

ただ、NEXTしか使えないと思われることが、悔しかった。

でも、今は違う。

Team Heaven'sDiceを始めとした多くの仲間が居る、殆どのデッキの最新情報は彼らが与えてくれる、それもトップレベルの研究度だ。

彼らに与えられるものは何だろうか。

一つのデッキに対する飽くなき探究心は、恥じるべきことだろうか。

否、唯一無二の武器である。



おやつCS5人チーム戦、3人チーム戦それぞれ15名使用
5人チーム戦 Team Heaven'sTIGHT全員使用 

使用者最高戦績
おやつCS5人チーム戦 4位3名
おやつCS3人チーム戦 ベスト16
仙台CS 優勝
みついミニCS 優勝
横須賀CS 準優勝 

新・赤緑モルトNEXT解説
筆者 ZweiLance




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1 x FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~/終焉の禁断 ドルマゲドンX
1 x FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~
1 x FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~
1 x FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~
1 x FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~
4 x メンデルスゾーン
4 x フェアリーの火の子祭
4 x スクランブル・チェンジ
2 x 無双竜鬼ミツルギブースト
4 x メガ・マナロック・ドラゴン
4 x リュウセイ・ジ・アース
4 x 超戦龍覇 モルトNEXT
3 x 次元龍覇 グレンモルト「覇」
4 x 蒼き団長 ドギラゴン剣
4 x 熱血龍 バトクロス・バトル
3 x 永遠のリュウセイ・カイザー
1 x 爆熱剣 バトライ刃/爆熱天守 バトライ閣/爆熱DX バトライ武神
1 x 銀河大剣 ガイハート/熱血星龍 ガイギンガ
1 x 覇闘将龍剣 ガイオウバーン/勝利の覇闘 ガイラオウ
1 x 闘将銀河城 ハートバーン/超戦覇龍 ガイNEXT
1 x 真聖教会 エンドレス・へヴン/真・天命王 ネバーエンド
1 x 恐龍界樹 ジュダイオウ/恐・古代王 サウザールピオ
1 x 無敵王剣 ギガハート/最強熱血 オウギンガ
1 x 熱血剣 グリージーホーン/熱血龍 リトルビッグホーン



◆プレイング 


本記事では、構築段階で特に意識した5Cバスター、赤黒ドルマゲドンに加え、現在シェアを拡大させているジョバンニの3つの対面におけるプレイングを紹介する。

これらはあくまで部分的なものであり、目安でしかない。

ここに書いてあることが全てだと考えると、かえって思考の幅を狭めてしまう。

興味のある方は是非実際に回してみて、新しいテクニックを発見して欲しい。

このガイドは参考程度になれば幸いだ。

また、構築に関しては、今回は同Teamであるフェアリーと対談形式でデッキ解説動画を撮影する試みを取り入れている、そちらの方で合わせて確認していただければと思う。

デッキは、戦略の上に構築し、それを最大限生かすための配分故に、これから紹介するプレイングを一読していただいてからの方がより理解がしやすいと考え、後に紹介することとする。


 vs 5Cバスター


最序盤はマナをブーストしていくだけだが、3~4t目でプランを確定する必要がある。

二つのプランは方向性が真逆であり、一度決定してしまうと後戻りが難しい。

相手の公開情報や顔色をよく観察し、正しいプランを選択することが重要なマッチアップだ。


プランA


相手のマナに5Cが揃っていない、もしくは5枚ない時


キーカード

《スクランブル・チェンジ》
《メガ・マナロック・ドラゴン》
《超戦龍覇 モルトNEXT》
《蒼き団長 ドギラゴン剣》
《リュウセイ・ジ・アース》


5Cの受けの要とも言える《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》、NEXTというデッキタイプは受けが弱く、5Cバスターが作り上げるジャスキル以上の打点を受け切ることができない。

NEXTの猛攻を捌きつつ場に残った《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》は、そのまま《蒼き団長 ドギラゴン剣》に革命チェンジすることができ、従来のNEXTへの対抗策はこの1枚で完結していたと言っても過言ではない。

当然、この《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》を有効活用させると負けは必至。

であるのなら、プランAは、《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》を上回る速度で、その召喚条件を否定する、瞬殺のプランだ。


5Cバスターというデッキは、完全ではない。

此方のアクションを前にマナに5Cを揃え、5枚を揃え、同時に《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》まで抱えるということは、そう毎試合起こる状況ではない。

5Cというカラーリングの性質上、綻びは生まれやすく、大抵ある程度の下準備は必要となる、その弱みを突く。


① 《スクランブル・チェンジ》《メガ・マナロック・ドラゴン》《蒼き団長 ドギラゴン剣》《リュウセイ・ジ・アース》で5打点

《メガ・マナロック・ドラゴン》が最も裏目が少なく理想的ではあるが、他のドラゴンでも代用可。


② 《スクランブル・チェンジ》《超戦龍覇 モルトNEXT》《爆熱天守 バトライ閣》でEX打点


③ 《超戦龍覇 モルトNEXT》《闘将銀河城 ハートバーン》で7打点

《蒼き団長 ドギラゴン剣》が絡むと10打点まで伸びる。


①のルートは、ほぼ確実に相手を詰ませる、最も理想的な動きと言える。

②のルートは、不確定要素を含む分、相手のトリガーをも超え得る圧倒的な打点を期待できる。

②、③のルートは、仮に何らかのSTを踏んでしまっても、盾さえ0にしてしまえば、5Cバスターは《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》からジャスキルを狙うしかなくなる。

そのジャスキルは《熱血龍 バトクロス・バトル》で耐え凌ぐことができるし、そもそもジャスキルを狙うための《Mの悪魔龍 リンネビーナス》のマナ武装の条件を満たせていないこともままある。


プランB

プランAの遂行が困難な時


キーカード

《スクランブル・チェンジ》
《メガ・マナロック・ドラゴン》
《超戦龍覇 モルトNEXT》
《永遠のリュウセイ・カイザー》
《終焉の禁断 ドルマゲドンX》


瞬殺のプランAに対して、プランBは長期戦だ。

下準備をさせる隙を与えた上で中途半端に殴っても 、高確率でカウンターを決められてしまう。
 
そこで、《スクランブル・チェンジ》《メガ・マナロック・ドラゴン》を駆使し、相手が動き出す前に《永遠のリュウセイ・カイザー》を召喚、5Cバスターはこのカードをスムーズに処理することが困難だからだ。

相手が何かクリーチャーを召喚すれば、此方のドラグナーの攻撃の的になる為、一方的な展開が期待できる。

その間、ドラゴンを次々と展開し、《FORBIDDEN STAR~世界最後の日~》の封印を剥がしていくことになるが、 3回目の時点で禁断爆発を剥がすことがままある。

ゲームが長引くということは 、それだけ相手に複数枚の《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》を抱えるタイミングを与えているということでもある。

それ故に、《FORBIDDEN STAR~世界最後の日~》を禁断爆発したばかりに負けてしまう、というリスクが潜んでいるからだ。

せっかく 《永遠のリュウセイ・カイザー》を召喚しても、後続が確保できていなければ、相手の除去が追いついてしまう可能性もある。 

《終焉の禁断 ドルマゲドンX》
を除去耐性のあるアタッカーとして見るか否かは、その都度状況に応じて判断していく必要がある。

リソースが確保できているのなら、わざわざ禁断爆発する必要は無い。

《伝説の禁断 ドキンダムX》
のようなデメリットが一切無い、  《終焉の禁断 ドルマゲドンX》を採用する最大の利点と言えるだろう。


メモ 

・ 《次元龍覇 グレンモルト「覇」》から《恐龍界樹 ジュダイオウ》を設置しておくと、相手の攻撃を大幅に妨害することができる。
 
・《超戦龍覇 モルトNEXT》+《爆熱天守 バトライ閣》で攻める際、《爆熱天守 バトライ閣》の龍解のタイミングは慎重に見定める。

仮にタップ系のSTを踏んでも、アンタップされた《超戦龍覇 モルトNEXT》+《爆熱天守 バトライ閣》で再び打点を生成することが期待できるからだ。



vs 赤黒ドルマゲドン 


キーカード

《スクランブル・チェンジ》
《メガ・マナロック・ドラゴン》
《超戦龍覇 モルトNEXT》
《次元龍覇 グレンモルト「覇」》



まず、この対面のおける《蒼き団長 ドギラゴン剣》は詰めのカード、もしくは召喚するカードであるとお伝えしたい。

理由としては、《轟獣X ゲリランチャー》《ZEROの侵略 ブラックアウト》の侵略ゼロ効果を使わせない為で、これらを有効活用させるとゲームは大きく相手のペースに傾いてしまうからだ。

また、《復讐 ブラックサイコ》への対抗策となり得る《永遠のリュウセイ・カイザー》だが、同時に展開される《S級不死 デッドゾーン》《Kの反逆 キル・ザ・ボロフ》で簡単に破壊されてしまう。

故に無理をしてまで抱え続けるカードではないが、当然場に残れば強力な為、余力があればキープしても良いだろう。
 
これらのことを踏まえた上でのフィニッシュへの手段を以下にまとめる。


《メガ・マナロック・ドラゴン》から召喚

後続 《超戦龍覇 モルトNEXT》

《闘将銀河城 ハートバーン》を展開し、《メガ・マナロック・ドラゴン》から攻撃、仮にここでSTを踏んでも相手はNEXTを処理するしかない。

すると相手は返しのターンでマナが使えず、何も展開することができないのだ。

何も踏まなければそのまま盾を割ってしまって裏目はないし、比較的安全なプランと言える。


後続《次元龍覇 グレンモルト「覇」》

 《超戦龍覇 モルトNEXT》同様、仮にここでSTを踏んでも相手は《次元龍覇 グレンモルト「覇」》を処理するしかない。

何も踏まなければ《恐龍界樹 ジュダイオウ》《真・天命王 ネバーエンド》を展開し、さらにプレッシャーを与えることができる。


《超戦龍覇 モルトNEXT》から召喚

基本的に《爆熱天守 バトライ閣》を展開、相手が仕掛けてきても返し得る状況を作り出すことができ、攻守ともに万全な体制を整えることができる。

STをケアできるだけの後続が用意でき次第、大量展開からのフィニッシュを狙う。


《次元龍覇 グレンモルト「覇」》から召喚

状況に応じて《恐龍界樹 ジュダイオウ》を展開、決して強い手とは言えないが、相手の行動を大幅に遅らせ得る。


メモ

・相手の《FORBIDDEN STAR~世界最後の日~》の封印が1枚の状態で《超戦龍覇 モルトNEXT》+《銀河大剣 ガイハート》を召喚し、此方の《FORBIDDEN STAR~世界最後の日~》を禁断爆発、この状態でフィニッシュに向かうと、《銀河大剣 ガイハート》《終焉の禁断 ドルマゲドンX》が相手の禁断爆発効果を貫通し、各種STを突破できる。
 


vs ジョバンニ
 

キーカード

《メンデルスゾーン》
《フェアリーの火の子祭》
《無双竜鬼ミツルギ・ブースト》
《次元龍覇 グレンモルト「覇」》
《超戦龍覇 モルトNEXT》


序盤は効率良くマナを伸ばすことに徹する。

例えば、

《メガ・マナロック・ドラゴン》、《超戦龍覇 モルトNEXT》、《蒼き団長 ドギラゴン剣》、《フェアリーの火の子祭》、《メンデルスゾーン》

という初手があったとする。

一見して最も強い動きは、《蒼き団長 ドギラゴン剣》をチャージ、《メンデルスゾーン》《フェアリーの火の子祭》と動いて一気にマナを伸ばすことに見えるかもしれない。

しかし、ジョバンニに対しては悪手と言える。

この《蒼き団長 ドギラゴン剣》《ドリル・スコール》で落とされてしまっては、それ以降の動きが途端に不安定なものになってしまうからだ。

後続の自然のカードを引き込めず、《フェアリーの火の子祭》の為に《メンデルスゾーン》を埋めることになれば、目も当てられない。

一旦《メガ・マナロック・ドラゴン》を埋めて様子を見て、その上で《蒼き団長 ドギラゴン剣》を置くのが正しい手と言える。

今までは序盤のカードの切り方を間違えずにマナを伸ばすことだけを考えていれば良かったが、《爆鏡ヒビキ》採用が当たり前となった今、《無双竜鬼ミツルギ・ブースト》をプレイすべきタイミングもシビアになっている。

《FORBIDDEN STAR~世界最後の日~》のパワーマイナス効果により、 《天雷王機ジョバンニX世》は6マナさえ貯めればコマンドを召喚することである程度容易に処理できるようになった。

しかしながら、《爆鏡ヒビキ》を効率良く処理できるカードは《無双竜鬼ミツルギブースト》のみ、慎重にプレイする必要がある。 

マナが十分に貯まった後のフィニッシュ手段を以下にまとめる。


 ・《次元龍覇 グレンモルト「覇」》から《真・天命王 ネバーエンド》を展開、ジョバンニはこれを返す手段が殆ど無い。

《超戦龍覇 モルトNEXT》から《闘将銀河城 ハートバーン》、《蒼き団長 ドギラゴン剣》があれば《ライト・ゲート》もケアすることができる。

・ドラゴンを複数体展開し、《FORBIDDEN STAR~世界最後の日~》を禁断爆発、《真・天命王 ネバーエンド》同様、ジョバンニはこれを返す手段が殆ど無い。


メモ 


・《リュウセイ・ジ・アース》《天雷王機ジョバンニX世》を除去しながらリソースを確保できるカードでもある。

・《メガ・マナロック・ドラゴン》は相手のプランを大幅に崩し得るが、リソースを失うリスクがある為、プレイするか否かは慎重に見極める。

《超戦龍覇 モルトNEXT》でフィニッシュを目指す過程にリスクが生じた時、《熱血龍 リトルビッグホーン》を展開、 《オリオティス・ジャッジ》に反応しにくいコストの小ささを利用し、システムクリーチャーのように運用、 《爆鏡ヒビキ》《天雷王機ジョバンニX世》を破壊し続ける。
 



◆デッキ解説


【#12】 ZweiLance によるモルトNEXT 解説動画 【DuelMasters】

撮影・編集協力 フェアリー

30分程度の対談形式によるデッキ解説動画となっている。

全53枚、要点は全て話すことができたと思うので、 是非一度見ていただければと思う。  




◆あとがき 


NEXTは、戦略のデッキだ。

巷では脳筋、チンパンジーなどと揶揄されているが、私はNEXTというカードが出た当初から、一度もそのように思ったことはない。

いかなるデッキでも、結局はプレイヤーの探究心次第で、猿にでも、コンピュータにでもなり得る。

わかりやすく派手で強い動きがあるか、ただそれだけの違いだと考えている。

むしろそれは落とし穴で、せっかく可能性を秘めたデッキタイプでも、プレイヤーが運だけだと線引きをしてしまうと、それ以上発展は途絶えてしまう、思考が止まってしまうのだ。

1枚の重みを知り、全てのデッキには我々プレイヤーの探究心に応える得る可能性が秘められていると信じ、これからも、私は様々なデッキと向き合い続けるだろう。

一つのデッキととことん向き合う執念こそが、今の私の最大の武器であり、トーナメントプレイヤー『ZweiLance』としての価値である。


最後になりましたが、今回チームを組んでいただいてTIGHT君taiseiサイタ君、◆斎藤君けみーさん、調整に付き合っていただいたフェアリーすめらぎ彼方さんえむつーvaldy君、このデッキを握ってくれた数多くの方々、Team Heaven'sDiceを初めとし、お世話になった全ての皆様方に、この場を借りてお礼申し上げます、有難う御座いました!

そして、ここまでお読みくださいました読者の皆様方、誠に有難う御座いました!


ご意見、ご質問は@ZweiLance まで。